
悪徳業者の手口
悪徳業者の営業手口を知っておくと、業者を見極めるうえでの一つの判断材料になるのではないでしょうか。 過去に事例のあった代表的な手口をご紹介いたします。
契約を急がせる
→今日中に注文をもらえれば○○○万円安くします。
大幅な値引き
長時間居座る
→契約するまで帰らず、夜遅くまで居座り根負けさせる。
不安をあおる
→早くしないと、被害が大きくなり家が崩れて大変なことになる。
〔事例1〕
「リフォーム後の住宅をチラシの写真モデルとして使わせてくれれば、大幅値引きする」
と電話があり、来訪してもらった。
総額440万円のところを295万円に値引くとのことだったので、仮契約のつもりで押印したが、
工事見積書と図面が届かない。また、正式契約は図面等で詳細な内容を確認してからと思っていたが、
勧誘当日に押印した書面がそれに当たることを後で知った。不信感が募るので解約したい。
(契約当事者:50歳代、女性、家事従事者)
「チラシの写真モデルになってくれれば、リフォーム工事代金を大幅値引きするので、 見積りを取らせてほしい」と業者から電話があった。「契約するしないはともかく、 気軽に話を聞いてほしい」というので、とりあえず来訪してもらった。 壁紙・天井・フローリング張り替え、システムキッチン等の工事を、総額のみを記入した 施工申込契約書として示された。「総額440万円のところを295万円に値引く」とのことだったので、 こんなに値引きしてもらえるのなら損はないと思い、仮契約のつもりでその場で署名・押印してしまった。 「工事見積書と図面は2?3日以内に送る」とのことだったが届かず、10日後届いた工事明細書も 簡単なもので、工事後の使い勝手等もイメージできず、不安になった。また、正式契約は図面等で 詳細な内容を確認してからと思っていたが、勧誘当日に署名・押印した書面がそれに当たることを後で知った。 この業者には、不信感が募るので解約したい。
資料/国民生活センター 2002年
「訪問販売によるリフォーム工事」
に係る
消費者トラブルの現状と被害防止のための方策(概要)より
〔事例2〕
「無料で屋根の耐震診断をする」と業者が来訪した。断ったが、屋根の様子をビデオで撮り、
「危ない。今なら安くできる」等と屋根のリフォーム工事を勧められ、断りきれずに契約してしまった。
翌日解約の意思を伝えたが、結局説得されて解約できなかった。さらに、施工内容が杜撰だったために工事中
に天井に染みができた。クレームを言ったが、きちんと対応しない。当初から何回も断っていたのに、納得できない。
(契約当事者:60歳代、男性、年金生活者)
年金暮らしの両親の元に、「無料で屋根の耐震診断をする」と業者が訪ねてきた。断ったにもかかわらず、
「診るだけ、無料ですから」と屋根の様子をビデオで撮り、その様子を見せながら、「瓦の下が傷んでおり、
このままでは地震の際に落下して通行人がけがをする」「地震に強い金属製の瓦がある。
今なら360万円のところを210万円で工事する」等と屋根のリフォーム工事を勧められた。
「年金生活をしていてお金がない」と断ったが、「ローンを組めば月々2万4千円払えばよい。
そのくらい出せるでしょ」と言われた。このままでは、地震の際他人に迷惑がかかると思い、
お金は無いが契約書類に署名・押印してしまった。
その日の夜、信販会社から確認の電話があり、返済期間が10年間で返済総額が約300万円程になることが分かった。
ローンの怖さを知り契約したことを後悔した。
翌日業者に電話をして解約の意思を伝えた。業者の担当者には、「ローンの金利は我が社が持つので、
考え直してほしい」と言われた。1時間後、約束もなく業者の社員2名が突然訪問して来て、
「金利を全部我が社が持つと、向こう10年間は、家族全員が金融機関のブラックリストに載るぞ」
と言われ、怖くなってだまっていたら、「お金が支払えないなら、値段を下げましょう」と言われた。
結局、240万円ものローンを組み、翌日工事が始められた。
梅雨の時期の工事は気が進まなかったが、案の定、工事施工者が工事個所に必要な保護をしなかったため、
雨漏りが生じ、天井に染みができてしまった。一度、営業担当者にクレームを言ったが、
「多少の雨は全く問題ない。2、3日経てば染みも消える。問題があれば、何度でも直しますよ」
と言って取り合ってくれなかった。工事が完了した後も、天井の染みはそのままである。
当初から何回も断っていたのに、納得できない。
資料/国民生活センター 2002年
「訪問販売によるリフォーム工事」
に係る
消費者トラブルの現状と被害防止のための方策(概要)より